sans fin

詩と散文 6

切望

 かたむいた空からゆっくりと雲が落ちる
 雨が、降りそそぐ
 上を見上げる
 そこにあるのは、静かな心
 響くのは、静寂を壊すもの
 囁くのは、夢を語るもの
 ひとしずくの涙が
 何かを求める

 たとえば夢を追うならば
 私はそれを手にいれられますか
 たとえば力を使うならば
 私はそれを手放せますか
 たとえば心を失うならば
 私はそれを忘れられますか

ベクトル

 誰が大切で何が好きなのか
 ドコが面白くてどう楽しいのか
 何故笑えていつ泣けるのか

 カンジョウ全てナスがママ
 あなたの思い通りにナリマス
 全てのカンリをするのは
 あなたのシゴトなんですヨ

 ブリキのココロにカンジョウはアリマセン
 キカイ仕掛けのニンギョウにコトバはアリマセン

 でも
 キミには何もかもがアリマス
 ワスレテイルだけなんデス

ただ、今を見つめて

 木が叫んだ
 何てこの世はつまらないんだろう!
 草が笑った
 何てこの世はアホらしいんだろう!
 花が歌った
 何てこの世はバカくさいんだろう!

 ナンデモカンデモ
 イレテニコンデ
 マホウヲカケテシマイマショウ
 ボクモニコンデ
 コッテリニテモライマショウ

 僕が呟いた
 何てこの世は生きにくいんだろう!

悲しみの指輪

 雨が降るのなら
 涙はいらない
 涙がこぼれるのなら
 雨はいらない

 辛いのは嫌だけれど
 それを乗り越えていく勇気も必要で
 でも
 忘れなければならないのならば
 勇気なんていらない
 踏み越えなければならないのならば
 心なんていらない

 全部
 あんたにあげる

まばたき

 赤い目をした人形が
 まばたきもせず見つめている
 笑うことを忘れた人形が
 まばたきもせず見つめている
 自分の運命を知らない人形が
 まばたきもせず見つめている

 ああ、そうだよ
 さあ、見せておくれよ
 キミがその血をぶちまける所を
 その身を焼ききる所を

 ずっと見つめていてあげるから

歩くように 歌うように

 見失った地平線
 雲に隠れた星
 狂った磁石
 破れた地図

 ……どこへ向かっているのか
 方向感覚がない

 疲れきった足に枷
 動かない頭に雨

 ドウシテココマデシテイキテイルノ?

 地平線は見つければいい
 星は雲が切れるのを待てばいい
 磁石は自分の中にある
 地図なんて最初からアテにしなければいい

 決めるのは、自分でしかないならば

Timeless

 両手を零れ落ちていく砂は
 きっと時間なんて綴らない
 振り向きざまに顔を見たら
 知らない人になっていた
 久しぶりに行ったコンビニが
 なくなっていた

 そっか
 時間
 気づけば後ろに行っちゃってる
 おかしいなって思いながら
 ちょっとずつ
 その流れに逆らわない術を身につける
 忘れるんじゃなくって
 自分に合わせるんじゃなくって

 自分が合わせるの
 世の中の時間に

他人行儀な風船

 誰かが傷つくのは心が重いけれど
 誰かが傷つくのが嫌じゃない時がある
 そんな自分が醜くて
 あえいでいる口から呪詛が出る
 きっとそう
 誰だって
 自分以外なら誰でもいいんだ
 それが自分の与り知れぬ所なら
 身勝手すぎるその心は
 どんどんどんどん膨らんで
 針で刺されてやがて割れる

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